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新型コロナウイルスがサプライチェーンに及ぼす諸問題

March 2020
地域: アジア・パシフィック
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中国 (2020年3月10日)

世界の製造拠点である中国において、新型コロナウイルスによりサプライチェーンに問題が発生した場合、その影響は世界規模のものになり得ます。現時点において報告されているサプライチェーンに関連して発生している諸問題点について、当事務所の上海オフィスの弁護士が解説します。

  • 製品の品質 – 原材料や部品の不足に加え、品質の検収を完了していない材料又は仕様に合わない材料を供給者が使用するかも知れないという懸念があがってきています。また、商品や原材料等が新型コロナウイルスに汚染されていないという保証の要求や供給者のサプライチェーンに問題が発生した場合の対応策を要求する顧客が増えてきています。
  • 運送 – 中国の運送業者の多くは一時的にその運用を停止しており、道路、鉄道、海上運送の全てが影響を受けています。航空運送費その他貨物運賃も、新型コロナウイルス発生前と比べると、著しく上がっています。
  • 不可抗力 – 中国国際貿易促進委員会(CCPIT)が発行する「不可抗力証明書」という書面を供給者から受領している企業が見受けられますが、当該証明書は、裁判所等に対して、不可抗力が発生したという事実を認定させる法的拘束力を有するものではなく、単にその様な事象が起きたことを意味するものに留まります。

その他、本記事では、保険や中小企業の財政難についても触れております。

Client Advisory Supply Chain Issues Arising From COVID-19 – China